2015年8月4日火曜日

「ゆっくり、いそげ」で贈与経済を改めて“確認”する




キリスト教について詳しい訳ではないが、新約聖書の「与えよ さらば与えられん」は、何となく知っている言葉だ。
日本のことわざで言えば「情けは人のためならず」と、言ってしまってはちょっと身もふたもないけど、まあそういうことに通じる。
もう少し高尚に言えば「贈与経済」ということだろう。
「人は与えることによって得ることができる」

「ゆっくり、いそげ」は、「良い本」だ。読むと気持ちが和らぐし、この世の中捨てたもんじゃないと思うようになる。著者は、先日NHKの「news web」にコメンテーターとして出演していたが、語り口も物腰も好感のもてる、しかもアタマのよい人だった。「ゆっくり・・・」は平易でしかも確かな文体で、内容のあることを書いている。一読するに値する。
高校生の愚息に薦めた。

この中に出てくるのが舘岡康雄氏の2冊だ。さっそく図書館で借りてきた。舘岡さんは日産の「軌跡の復活劇」の渦中にいた人だ。

「世界を変えるSHIEN学」では、リザルトパラダイスからプロセスパラダイスへの変化を訴えている。
つまり簡単に言えば、管理、命令、上意下達式の経営から、みんなが考え、アイデアを出し合って、いいものを作る(いい仕事をする)という
ことだ。ちょっと内容に重複感があるが、それなりに参考にはなる。
しかし、コトはそう簡単ではない。実際、日産の復活だって、多くのリストラや下請けへのコストカット要請など、さまざまな要素がからみあって、「復活」した面もある。
単に、「社員の意識が変わって会社が甦った」と言うのはちょっと眉唾かもしれない。

ともあれ、「SHIEN」という考え方はとても重要だし、基本理念は支持したい。

「利他性の経済学」は、少し理屈っぽくて斜め読みしてやめてしまったけど。

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