走ることは、ある面非常にストイックだ。スキーや登山、また水泳やテニスなどポピュラーな運動では、腹が出ている人は、まあよくいる。が、走る人ではいない。
出腹を引っ込めようと走り始める人はいても、基本的に走る(ある程度の距離)ためには、腹は出ていられないのだ。ポピュラーな市民スポーツでこれほどストイックな種目は他には思いつかない。
金哲彦さんの著書だったか、体重が1キロ落ちるとマラソンのタイムが3分縮まると書いてあった。フルマラソンで3分が正確かどうかは分からないが、走り始めて分かることは、体重が軽い(つまり余計な脂肪分がない)方がラクに走れるし、気持ちがいい。
だから走る人は、おそらく例外なく体重管理に気を使うようになる。つまり食事に気を使う。それまでと同様の食生活を送っていても、ある程度は体重が落ち、体もスリムになる。しかし運動だけではやはり限界がある。食事を改めてはじめて「理想体重」に突き進んでいけることが、身体で分かってくる。
そうなると実生活でどういう「影響」が出てくるか。(私の場合)
○外食を好まなくなる。パスタやカレー、焼き肉、中華など、手軽な外食で「おいしいものを食べたい」という欲求は減り、カロリーのわかるものを自然に食べるようになる。(もちろん外食はするが、たいてはそば屋だ。)
○肉は少量だけ食べてもおいしく、それで満足できる。(足りないタンパク質はプロテインで摂る)
○野菜はたくさん食べたくなる。
あまり運動をしないような方々から見れば、ストイックに見えるかもしれない(実際、そんなんで生活楽しんでるの?と真顔で聞かれたことがある)が、実は少しも苦ではなく、たくさん食べることがかえって体重が気になりストレスになる。
この道の私の先達が言っていた。「一度スリムになると、太ることが恐怖になり、それでまた走る」と。そう、太ることはランナーにとって「恐怖」なのだ。恐怖というストレスを避ける行為は、心をラクにこそすれ、苦ではないということである。
走ることはストイックと、冒頭に書いた。しかし当事者にとっては少しもストイックでないというまったく逆の言説になった。
※ランニング雑誌を見ていると、読者紹介には「月間走行距離○○キロメートル」というのが必ず載っている。こういう人たちの食生活を知りたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿