●CO2の排出量が過去最高
米エネルギー省が発表した2010年の世界のCO2の排出量は、前年比6%増の355億㌧で、過去最高の伸びを記録した。これは日本の排出量の約1.7倍が1年で増えた計算になる。地球環境産業技術研究機構の予測では、このまま対策をとらないまま新興国の成長が続くと、90年に屋久200億㌧だったCO2が、2050年までには500億㌧を突破するという。このままなら気象変動に関する政府間パネル(IPCC)が07年に報告したシナリオのうち、今世紀末には平均気温が4度上昇する最悪のしなりを超える勢いで温暖化が進むという。海面上昇な異常気象で毎年数百万人が洪水の被害に遭い、生物種の4割以上が絶滅する。(20111129朝日新聞)
●世界の平均気温も事実上最高
世界気象機構(WMO)は2011年の世界平均気温が14.30℃~14.52℃となる見通しで、過去最高値だった2010年に並ぶと発表(2011年11月29日)。2011年は海面温度を下げるラニーニャ現象が強く見られ、本来ならば寒くなるが、地球温暖化のペースがそれを上回ったという。ラニーニュ現象があった年としては過去最高で事実上最も暖かい年になったという。(20111130朝日新聞)
●日本の夏も、一昨年は「異常気象」
日本では2010年の夏(6月~8月)が記録のある過去113年の中で一番の暑さだった。これは気象庁が「異常気象」と認定。国連機関の「気象変動に関する政府間パネル」は報告書の中で、地球温暖化が進むと異常気象が起きやすくなると予測している。(2011122朝日新聞)
私は温暖化が一番心配だ。何よりも。
いまある自然の摂理が失われてしまうのではないかと。
いまある自然の摂理が失われてしまうのではないかと。
震災以後の原発問題の議論を眺めていると、温暖化を斟酌した議論が少ないように思う。CO2削減の2年前の鳩山首相の「約束」(国際公約)などなかったもののように、一部のジャーナリズムは「放射能リスク」をとにかくゼロに限りなく近づけることが第一だという報道を繰り返しているし、世論をそう誘導しているように見えてならない。
彼らに対して「温暖化はどうするんですか?」と聞くと、おそらくこういう答えが返ってくるだろう。「まずは放射能汚染、脱原発。化石燃料によるエネルギー消費は国民の努力と節約で抑えればいい。」と。
どんな議論もそうだが、一方を主張する者は、その実現可能性について都合の悪い部分は「精神論」で逃げ、議論を避ける。
いわゆる革新勢力が好きな「理想論」。
しかし「理想論のまやかし」が、原発・放射能の議論をダメな議論にしている。
なぜか、「理想論」は人間の「欲望」を斟酌していないからだ。
*「欲望」についての論考はまた後日
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