2012年1月20日金曜日

走ることについて語る① 50を越して走り始めて

走ってみようかなと思ったのは、息子が中学受験で煮詰まってきた小学6年生の秋ごろだった。お百度参りではないけれど、塾の日曜特訓に1日出かける息子を見送って、ひがな日曜の午後に、何かしなければ申し訳ないような気がしていた。

あり物のスニーカーと夏山登山用の短パン、Tシャツといういでたちで、最初は2キロ程離れた図書館に行き、次は3キロ離れたホームセンターに行きと、少しづつ走ってみた。2,3キロならば苦もなく走れて、秋のさわやかな空気に触れて気持ちよかった。

そのうち1.5キロ程離れた多摩川の河川敷まで出て走るようになった。足が痛くなると歩いて最寄の駅から電車に乗って帰ったりもした。二子玉川と大井町を結ぶ大井町線や多摩川と蒲田を結ぶ多摩川線は、駅が川沿いから比較的近く、ジョギング初心者には安心材料にもなった。
走る時、お金はタクシーでも帰れる2,3千円を持ってでたが、これまで一度もタクシーには乗っていない。いわばお守りのようなものだった。

しかし走ることをそれほど面白いと思ったことはない。どうにか続けている水泳でも、いつもストイックになってしまう。楽しむという感覚を心掛けてはいるのに、ひたすら1点を見つめて目標に向かってしまう。性格なんだろうな。
(泳ぐことについて語るとき、ぼくの語ること・・・は過去ブログに書いた通りだ)

さしあたり多摩川が主な「走り場」
ただし「下流志向」
息子の受験がどうにか終わり、やがて春になって、少しずつ定期的に走ることを心掛けた。
だいたいは日曜日の午後。多摩川河川敷が主だ。河川敷は信号等で止まったり、車に気を付けたりしなくてすむので、(自転車は時々怖いが)コンスタントに走るのはよい。けっこう“仲間”もいる。

しかし「シューイチ ランナー」は、なかなか鍛えられない。3キロを超すと膝が痛くなることばかりだった。でも変わってくることもある。少しずつだが体重が減っていった。日曜夕食の1杯だけの安ワインが、おいしい。

あれから2年余り、先週初めて15キロの壁を超えた。18キロ程走った。1時間45分ほどかけて。
目標のハーフが、もやのむこうに少しだけ見えた気がした。

「走ることについて語るとき僕の語ること」を綴ってみたくなった。
自分の中で何かが少しずつ変わってきている気がするから。
「何か」の正体は何か?。それは書くことによって探していくほかない。



走ることについて、村上春樹さんの本が精神的な後押しをしてくれたのなら、この金 哲彦さんの本は技術的な後押しをしてくれた。愛好家の間で、「サブスリー」と言われるマラソンを3時間台で走るために書かれているが、これからジョギングを初めてみようかなと迷っている人こそ読んでためになる本だ。金 哲郎さんのランニング関係の著書は、mook本などでいろいろ出ているが、あまりそれらのビジュアル性にとらわれるより、まずこれを読む方がためになる。
痛みはどうして起こるか。どう走ったらいいのか。分かりやすくしかも論理的に教えてくれる。
腰痛のところなど、多少医学的にも荒っぽい記述もあるが、あまり気にしないで読めばいい。

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