2012年6月5日火曜日

走ることについて語る⑤「初めてブラをはずして街に出た時・・・」

ランナーに圧迫タイツは必要か。

「初めてブラをして街に出た時より、初めてブラをはずして街に出た時の方が緊張した」

昔(20年くらい前だろうか・・)、確かワコールの女性のインナーのCMのキャッチコピーに、こういうのがあった。正確な文言は忘れてしまったが、主旨はこういうものだった。なぜか気に入って記憶に残っている。

自分をガードしていてくれる物(女性ではないのでブラがそういうものなのかどうか知らないが)を取り去った時の緊張と解放感は、ブラに限らないだろう。
走り始めた時期、ひざ痛が怖くてサポーターをして走った。それでも痛みは決まって訪れるし、どれだけ効果があるかはわからないが、「付けている安心」はあった。一昨年の12月、ぎっくり腰を“患った”後、スキーをするのが怖くて、がっしりした腰のサポーターを購入し、また膝にも金属入りのサポーターを付けていた。




一度付けることに慣れてしまったサポーターは、外すのが怖い。でもこのままではダメだと思い、ぎっくり腰が概ね回復し、腹筋・背筋を鍛えられるようになって、そして膝の痛も上手く付き合えるようになると、こうした大仰なサポーターは、思い切って外した。以来、サポーターや流行の圧迫タイツには頼らないことにしている。



その気分が、冒頭に記したコピー「初めてブラを・・・」だったのだ。
圧迫タイツは、それなりの効果はあるのだろう。ましてシロウトランナーにとっては、ないよりマシなツールかもしれない。多摩川べりを走っていると、多くの人が、C3fitやnorth faceやMIZUNOなどの「黒いタイツ」姿を見かける。でも、履かないことにした。
何をするにしても道具は必要だ。しかし道具に頼りすぎるとかえって、自分の能力の芽を摘んでしまうこともあるのではないか。どれだけが「必要最小限」なのかは人によって違うだろう。だから圧迫タイツのランナーを咎めることはしない。
スキーでもランニングでも「ブラをはずす気分」を忘れないようにしたい。

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