2016年2月27日土曜日

「あの日」(小保方晴子著)はすごい!講談社の編集者に拍手

“話題”の書籍(これが「書籍」と言えるかどうかは別として)、
『あの日』(小保方晴子)には感心した。そのタイトルに。

書店に行くと平積みになっている。新聞の発行部数欄でも、石原慎太郎の「天才」(田中角栄本)についで堂々の2位になっている。

はっきり言ってわざわざ読もうとは思わない。それほど残りの人生に時間に余裕はないから。
雑誌のコラムなどで「読んだ」人の感想を聞けば十分だ。
我田引水、唯我独尊、などいくつかの「書評」(と言うのかは?)を見た。この人が渦中の時にホテル住まい、タクシー出勤などさまざまな報道がされていただけに、いま生活はどう維持なさっているのかは、覗き見的趣味で気にはなるけど。

それはそれとして、タイトル『あの日』には、正直感心した。もちろんこのタイトルを考えたのは講談社の編集者なんだろうけど、この編集者は、いかに「キャッチな」「人を惹きつける」かを考え抜いたに違いない。もっとも、意外とすぐ、ふわっと思いついたのかもしれないけど、それはタイトルを考えた編集者のこれまでの経験があったからだ。

 「あ」・「の」・「ひ」という、たった3文字と「小保方晴子」という名前を見た人々は何を考えるだろう。
「STAP細胞」を作ったと発表した会見の日、割烹着姿を撮影させた日、弁明をした日、それとも・・・・。
 「あの日」はそれぞれ読者にとって違うが、完全に小保方晴子の「記号」として機能していることは確かだ。これほどシンプルで、分かりやすく、読者(と言うかこれから「読もうかな」と思っている人)の好奇心を惹起させる言葉は他にないだろう。

言われてみれば「なるほどね」というタイトルはいろいろある。しかしそれはコロンブスの卵だ。最初に考えた人はエライ。
かつて(少しの経験だけど)、テレビ番組のタイトルを考えたことのある経験から言うと、1行のコメントを考えるのも大変だけど、タイトルをどうつけるかは一番の悩みどころだった。
久々に目に触れた「ヒット作」だと思う。

編集者に拍手!

かつて政治の世界で、小泉首相などが、短い言葉でシンプルに訴えかけることが流行った時代があった。今もそれは続いているのかもしれない。しかし政治ではそれは、反知性的であり、大衆操作的で、うさんくささを感じる。政治は丁寧な説明と説得性、納得性が必要な世界だからだ。
それと書籍のタイトルを一緒にしてはいけない。

最近読んだ本で「タイトル」がイカすのはあとは、「生きて帰ってきた男」「ゆっくり いそげ」かな。

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