2016年12月1日木曜日

「宅建士」不合格の記。脳の筋トレとして臨んだ試験で。

 11月30日に宅建士の合格発表があった。
 職場に行ってから午前9時半のネット発表を見る。落ちた。だめだった。多少手ごたえがあったのでちょっと落ち込む。やはり3か月、週2,3時間の勉強では足りなかった。また年齢を考えると記憶力、意欲とも、若いころのようにはいかなかった。・・・・というのが言い訳である。
 
 実は受験は2回目だった。一度目は4年前。10月の試験に向けてまっさらの状態から勉強を始めたのが7月。8月は遊ぶ(登山など)に忙しく、ほとんどテキストを開くこともできず、9月になりなんとか毎日、週日は1時間程度やったけど、学習書を読んでノートにまとめるのが精いっぱいだった。過去問をまったく解くことなく試験に臨み、それはあえなく撃沈。

 そして4年ぶりに急に思い立ってまた“挑戦”を始めた。第一の職場を定年で終え、子会社に移って2年目のことだった。
 なぜ宅建士だったのか。別にこれから不動産屋になりたい訳ではない。宅地建物取引は民法の基礎が詰まっていると何かに書いてあった。だから民法をちょんとアタマに入れるのにもいいと思い、試験勉強に取り組んだ。
 思いかえすと、結構日常生活で『民法』のお世話になってきたし、頭に入っていることはこれからの人生でも損はない。
 
 転勤で自宅マンションを貸すことになった時、初めは日本リロケーションを通して「定期借家権契約」をしていた。しかし築30年以上のボロマンションでたいした賃料でもないのにリロケに10%以上の手数料を取られ、なんだか割に合わない気がしたので、契約更新時に店子と自ら契約した。
契約書はリロケーションに仲介を頼んでいた時のものを参考に、自ら作成した。条件が不利にならないように、しかも法律を遵守できるようにわか勉強をした。
 父親が死んだあと、わずかばかりの遺産相続をするのに、なまじ都内に土地が少しばかりあるため税理士に相談すると、自分としては結構法外な値段を言ってきた。
 世間相場そのものを知らなかったので、いくつか書類を作成するくらいで、せいぜい十数万円でやってくれるのかと思っていたら、相手の言い値はその10倍以上だった。それなら自分で相続手続きをやろうと、これもまた本を一冊買ってきて、あとはネットからの情報や各種書類のひな型を取り出して、相続申告ぎりぎりの10か月になんとか間に合わせて申告した。
 こうした体験が、自分を宅建士に向かわしたのかもしれない。

 今回は宅建士のテキストからではなく、まず民法の勉強から始めた。ネットの「体験記」を見ても、民法は別に学ぶべしと書いてあった。だからその推薦図書「民法がわかった!」から始めた。
この書籍を買ったのは5月の連休前後だったように記憶する。定番書籍らしく、いまはなくなった新宿タイムズスクエアの紀伊国屋で平積みになっていた。
 だが実際に勉強を始めたのは、勤務先の株主総会が終わり、ひと段落ついた7月になってからである。(これじゃダメだよね)

 勉強を再開して改めて気づいたのは、会社勤めをしていると、時間を確保するのはよほど意志が強くないと難しいということだ。平日、仕事を終えて家に帰ると、心は無意識でくつろぎ体制になっている。テレビ(きょうの料理などだけど)を横目で見ながら、ワインをちびちび夕食をとるとすぐ10時。風呂に入るともう睡魔には勝てない。WBS(ワールドビジネスサテライト)を見ながら、そのうち寝床に入って、いっかんの終わり。これでは勉強などできる訳がない。
 
 そこで、家に帰る前に必ず喫茶店(古い表現だね。カフェか)に寄ることにした。そこで1時間は勉強することを自分に強いてきた。

 でも実際は毎日1時間の勉強時間の確保は難しかった。せいぜい週に3日か4日。それも40分くらいの日も多々あった。これには理由がある。仕事は定時に早々帰れるわけではないこと。(そてでも職場のシマでは、早い帰宅だ)。疲れて、行きたくない日もある。
 それでも自分なりに頑張った方かもしれない。ちなみに土日はまったくと言っていいほぼ勉強時間を確保できなかった。
 
 以前からだいたい土曜日午前中は水泳、日曜日はランニングという日課を続けてきた。これを犠牲にしてまではできない。午後は母親の面倒見など結局時間を取られる。だめだった。
ものの本には「100時間の勉強で合格!」などと謳っていたけど、結局100時間まで至らなかった、と思う。それも民法だけに3分の2ぐらいの時間を費やしてしまっていた。
 
 宅建業法や、建築基準法、都市計画法は以前勉強した時のノートを見返すのがやっと。
最後の4週間はなんとか練習問題に取り組んだ。1回の勉強で50問~100問をなんとかこなし、1000問の壁を突破。だけど、それは1回だけ。問題集には最低3回やるようにチェック欄がついている。内容が定着するまでには至っていなかっただろう。
 
 まあそんなこんなで11月14日に試験に臨んだ。試験会場の五反田の立正大学キャンパスはどう見ても20代30代の人ばかりだった。もちろん中には40代らしき人もいたが、私のように50代後半の人間は、周囲を見渡す限りではいなかった。気持ちは若い気でいてもそういう現場にいるとちょっと気おくれするよね。
 試験は、手ごたえはあった。7割は突破したと思っていた。けど、だめだった。トホホ。

 「勉強した時間はムダではなかった。」と思いたい。それはある種ナルシシズムだけど、実際には合格しなかったという事実に向き合っていない。逃げている思想だ。実現不可能なことをやろうとしている訳ではなかった。だから合格できなかったことを自分の努力不足、失敗と位置付けてその事実に向き合わなければならない。逃げていては結局、自分の人生からも逃げていることになる。

 で、その後。宅建士の試験が終わってから、ヘンは話、何か他のことを勉強したくなった。いま、少しづつやっているのが「旅行行」だ。これも民法を知っていると結構スラスラいく。来年はどうなっているかわからない。でも今の気持ちとしては「宅建士」への再々挑戦と「旅行業士」に臨んでみたい。アタマを衰えさせないためにも、これはランニングや筋トレと同じだ。 

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