2012年4月4日水曜日

消費税増税 東京新聞の幼稚な“主張”

消費税増税法案について、政府・民主党が閣議決定した翌日、新聞各紙は社説で論を張った。政府の取り組みの評価への濃淡はあるものの、どの紙も消費税の必要性を認め、法案の成立を望んだ論調だった。ただし東京新聞を除いて。

4月1日東京新聞 社説
東京新聞の社説。
▽消費税には所得の低い人に重い、逆進性がある
▽所得の再分配を考えると、累進構造を備えた所得税、法人税の方が望ましい。
▽消費税は地方税でいい
▽ちゃぶ台返しの議論をしろ
概ね、そうい主張だ。

実態経済を斟酌できない幼稚な発想に驚かされる。
社説氏は、欧州の高い間接税の税率はオカシイと言うのだろうか。また日本の現行の国税主体の5%もダメだというのだろうか。
こも社説は、所得の再分配、所得税や法人税の累進課税など、中学生でもわかる基本知識に沿って単純な論理を展開している。
すべての人の所得が正確に把握で、また法人税を高くしても産業界が海外に逃げることなく、日本で律儀に税金を払い続け、しかも企業が存続できるという前提ならば、東京新聞の主張も「納得」できるだろう。
しかし、実際には所得は正確には把握されず、法人税は各国で「引き下げ合戦」が行われている。
だからこそ、出口で課税する消費税が検討されているのは、自明のことではないか。
間接税にもいろいろ欠陥があろう。だからこそ、低所得者対策をどうするか検討されている。そうした議論も含めて、消費税の増税が検討されてきた。
ここに来て、「ちゃぶ台をひっくり返した議論を」という主張をするのは自由だが、社会の公器としての新聞の主張としては、幼稚としか言いようがない。社説氏の知識・教養の程度が知れる。
もちろん、社説の前半でご主張なさっている、社会保障の一体改革が進んでいないことは確かだし、そのことを指摘するのは、いわば当たり前のことだろう。
東京新聞の論理は、隣の家が火事になり周囲の家が、ウチにも燃え移らないか必至に消化して回っているのに、ウチはまだ家の中の掃除と整理が住んでない。まずそれが先決だといって悠然と、掃除の仕方を家族で喧々諤々話し合っているようなものだろう。あきれるばかりである。
こういう新聞が、目先のことしか考えられない大衆を、結果的に「扇動」して、改革の好機をつぶしていくのだろう。
「消費税を地方税にして地域サービスの選択を住民に委ねる」という主張は、一見もっともらしい“名案”に見える。しかしこれも、はたして名案だろうか。「消費はどこでも生じるので、都会と比べた地方の偏りが少ない」と言う。東京新聞さんの主な配達先である首都圏都市部や中京圏を考えるなら、確かにそうだろう。しかし田舎に行けば、どこも市町村にも「消費活動をする施設」がある訳ではない。過疎地域では消費すら行われていない実態をどう見るのか。これももっと実態研究や議論が必要なテーマだろが、それをひと言で片付けて主張するのも非常に幼稚だ。
東京新聞は「岳人」という登山の雑誌を出していることもあり、また共同通信配信の主に海外の記事も読めるので、一時他紙と併読していた。しかし1年でやめた。日々読むごとに、この新聞社の底の浅さにあきれたからだ。
深夜、テレビを見ていたら、東京新聞のCMを流していた。
キャッチコピーは「10日読めば、(その良さが)分かります」。
確かに分かる。10日も読まなくとも、幼稚な主張の新聞だということが。



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