2016年11月9日水曜日

トランプさん、大統領当選おめでとう。

 トランプさんアメリカ大統領当選おめでとう。あなたはアメリカという国の大統領になるべくしてなった。あなたはアメリカそのものだからだ。(もちろん半分皮肉です)
 
 あなたの当選の報を聞いて思い出したものがいくつかある。

その1:「アメリカの反知性主義」
分厚い本で、ナナメにしか読んでいないので、内容の記憶はあまりない。きっとたくさんの解説がブログ上にはあると思うのでそちらに譲るけど、アメリカという国の一端を見せてもらったと思う。
 知性、というか理性だけでは人は動かないし、ホンネは違うところにあるのが人間だから。トランプさんはそれを白眉にさらし、ホンネを言うことをタブー視しない社会を作ったんでしょう。

石川好さんが日経にコメントしていたけど、アメリカ人はもともと、マッチョなならず者が好きな面があり、トランプ氏の言説の中にも「真実」はあるので、そこが支持されたと言っていた。また、その意味ではアメリカ人は変節したのではなく、そのものだとも。

なかなか説得力あるコメントだった。人間に理性が働くのは、心に余裕がある時だけだもの。




その2:「超国家主義の真理と論理」(丸山真男)

 これも、数々の解説がネット上でもあるので、そちらを見れもらえばいいけど、確か「抑圧の移譲」について書いてあったっけ。
 
 生半可な知識で丸山真男の言説を言うと、「丸山ファン」や「丸山研究家」にしかられそうだけど、人間は本質的に差別をするし、それがホンネなんだ。自分より弱いものをいじめることで自分の存在を確認するんだな。それは暴力という形のこともあれば、高額の所得を得て、他を見下すという形もあろう。
 とにかく優越したいというのが本性。
 こう言ってしまうと身もふたもないけど、今や、そのことに目を背けられない事態が世界で起こっているということなんだろう。
 「超国家主義・・」で丸山が描いた日本人気質は、実は日本人だけでなく人類共通の本性なんだと思う。




その3:「日本的ナルシシズムの罪」
つい最近読んだ本だけど、「抑圧の委譲」は、ナルシシズムだという(乱暴な)論理展開だ。
みな自分がかわいいから、だから差別をするし、自分より弱いものをいじめて溜飲を下げる。

人間の理性なんてものは、どこかに飛んで行ってしまったのが、アメリカ大統領選挙だったのだろう。

ナルシシズムという視点で、自分の周囲(カイシャの人など)を観察すると、妙に納得する。あれこれ自分の「立場」をしゃべって、人に認めさせようと、無意識に行動する人は結構多い。
はやりの「雑談」も、もちろん職場で必要だけど、ちょっと気を付けた方がいいだろう。

いずれにしても、自分は最低限の理性は持って、この先、生きていきたい。自分の中にある差別や抑圧を望む本性とちょっとだけ闘いながら。








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