2015年5月25日月曜日

『大阪都構想』の“否決”は、「シルバー民主主義」の勝利!?

大阪人(「大坂人」と書くのだろうか)は、なんて辛抱強い人たちなんだろう。そうでなければ、忘れっぽい方々なのか。

同じような高層ビルを建てて破綻したり、水道事業が並んであったり、大阪の納税者は、よくこれまで暴動を起こさないで来たと感心してしまった。どう見てもオカシイことがまかり通っているのに。

大阪市の負の遺産を、まとめている方がいらしたので、リンクを張らせて頂きます。
http://kyoneshige.hatenablog.com/entry/2015/05/10/201723

これを見ると、大阪市民でなくても「怒り」が湧いてきます。

かつて、大阪市職員用の「カラクリ背広」を民放で報道していたが、ほとほとあきれてしまった。胸ポケットの所に「大阪市」のマークか文字だか入っていて、市の業務用の「制服」のおうだが、このマークは、裏替えしてポケットの中に納まり、「征服」はたちまち「背広」として使えるというモノだった。こういうのを世間は「セコイ」と言うのじゃないかな。

それだけではない、ネットで検索すれば職員への福利厚生名目のお手盛りがわんさか出てくる。
そうしたことを大阪府民や市民はみな許してしまったのだろうか。

こちらは、当時のニュースを見返してください。
http://www.asahi.com/money/aera/TKY200503030172.html


橋下氏を好きか嫌いかという感情論は脇に置いておいて、彼の掲げた「改革」は傾聴に値するものがあったし、動機も意義も十分説得性を持っていた。

なのに負けた。これは彼のけんか腰の手法が、結果的に失敗したからだと多くの新聞で論じられていた。
確かに、良いか悪いかという単純な2分法に問題を落とし込み、勝負をしたのは、どうかと思うし、それで負けたから、「潔く引退」というのも、結構無責任な対応だ。

手垢のついた言説(だけど大切)を借りれば、民主主義は時間がかかるし、継続性が大事だし、「丁寧な説明」や「説得」が必要だ。そうしたものを、放棄したとは言わないが、軽視した手法はいただけない。

それはそれとして、敗因を別の視点から見ることもできる。

住民投票翌日のNHK総合テレビ「クローズアップ現代」では、投票結果に地域差が出たことと、高齢者が、老人のための補助金が減らされるのではないかという「心配」から反対に回ったことをインタビューなどで構成していた。

NHKの報道を前提にすると、反対したご老人方は、これまでの二重行政の「ムダ使い」や地方自治の将来のあり方ということより、目先の自分たちのための「補助金」がどうなるということが、もっぱら関心事だったということが見てとれる。
これを巷間では「シルバー民主主義」と言うのだろう。

もし住民投票が18歳以上で実施されていたら、結果が違ったかもしれない。(「かもしれない」という仮定を前提に論を展開しても、なにも建設的でないことが分かっているけど。)

反対する政党の市議団の方々は、若いのにそうした、「ご老人のご心配」に訴えて反対の論を展開していた。橋下構想に代わる、地方自治の青写真を示していたようには見えなかった。

自分たちの目先のことしか「見えない」お年寄りの勝利。『大阪都構想』は、こうして終わった。

○もちろん、そうでない年配者もたくさんいることは承知しています。



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