2015年4月27日月曜日

「反知性主義」のアメリカ、あれこれ



●アメリカの反知性主義 単行本 2003/12/19
  リチャード・ホーフスタッター (), 
  田村 哲夫 (翻訳) 

この本を手にしたのは、もう10年近く前になる。
どこかの新聞の書評で読み、図書館で借りてきた。

しかし、分厚くかつ翻訳本のために、読むのに苦労した。そのうち返却期限が来たので、途中で投げ出した、ことを「覚えている」

 恥を忍んで正直に言うと、この時、アメリカに「反知性主義」という概念があることを初めて知った。

Amazonの紹介によると
「知識人とは何か、知識人は民主主義の実現に貢献する力になれるのかと問いつづけ、アメリカの知的伝統とは何かを問う、感動のノンフィクションであり、アメリカ史の古典。」

1952年、マッカーシー旋風の吹き荒れるなかで行なわれた大統領選挙は、『知性』」と『俗物』」が対立する図式となった。そして後者、すなわちアイゼンハワー=ニクソン・コンビが圧勝し、知識人も批判派も「アメリカ社会が知識人を否認した」ことを理解した」

「――『知識人階級と大衆のあいだに巨大で不健全な断絶があることが明白になった』(『タイム』)
「知識人は今後、所得税から真珠湾攻撃まで、あらゆることの罪を背負わされるだろう」(シュレジンジャー二世)

しかし著者の意図は、アメリカの精神風土をもっぱら批判断罪することではなく、知識人とは何か、知識人は民主主義の実現に貢献する力になれるのかと問いつづけて止まない。読者には、アメリカの知的伝統とは何かを逆に問う、著者の熱い思いが伝わるだろう。

感動のノンフィクションであり、アメリカ史の古典である。」と、ある。

●余談1
この書籍の翻訳者・田村哲夫は、確か渋谷教育学園の理事長だ。同学園の渋谷(通称:渋渋)や幕張にある、「渋幕」は、首都圏ではちょっと有名な、新鋭の進学校。英語教育にものすごく力を入れ、東大入学者増やしている。一度、渋谷公会堂で行われた渋渋の学校説明会に行ったことがあtる。田村の自信に満ちた物言いが結構ハナについた。公会堂の前には大きな黒塗りの車が待っていた。むかし単なる「渋谷女子高」だった学校法人を有数の進学校に育てた功績は大きいのだろうが、長く理事長を務め、王様の雰囲気だった。


さて、横道の逸れすぎたけど
ちょうどあのころ(あの頃とは80年代ということ)、アメリカの人気牧師の衛星中継を使った説教や布教活動が盛んだと、テレビのニュース企画でたびたびやっていた。そして、ダーウィンの進化論を否定する人たちが少なからずいることも、盛んに報道していた。

アメリカに、本格的に興味を持ったは、実はもっと以前のことだ。。


本多勝一の「アメリカ合州国」を読んだのは、随分前だ。高校時代だったように思う。
アマゾンで調べると、単行本の出版が1970年になっている。このブログに載せたのは文庫本だが、単行本で読んだ。中味は忘れてしまったが、アメリカの一断面をうまく切り出したルポだったと記憶している。









そして、ずいぶん時代は先に進むが、渡辺 靖さんの一連の著書はほとんど読んだ。

●アフター・アメリカ―ボストニアンの軌跡と<文化の政治学>  2004/5/15
アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所  2007/11
アメリカン・センター―アメリカの国際文化戦略 単行本 2008/5/27
アメリカン・デモクラシーの逆説  2010/10/21
文化と外交 - パブリック・ディプロマシーの時代  2011/10/22



















渡辺さんの著作は、別にアメリカの「反知性主義」を語ったものではない。読みやすい文体で書かれた、すぐれたルポと考察だ。清濁いろいろあるであろうボストンに憧れた。

なかなか面白い
まったく毛色は違うが、「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」も、なかなか興味深い書籍だった。

記憶の範囲で書くと、「多くのアメリカ人は一生自分の生まれた州を出たことがない」など、大衆としてのアメリカ人のローカルさがルポされていた。
数年前の「1%対99%」騒ぎでも、思ったけど、グローバルに活躍すのは、ごく限られた人だということだ。まあ「活躍」の中味はいろいろあろうが・・・。









どんどん、横道の逸れる。
で、最近の書評に出ている。
反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 (新潮選書森本 あんり  ()
まだ手にとっていないが、興味を魅かれる書籍だ。



アメリカ人の「反知性主義」について、書いてみようとこの項を立ち上げたけど、書いても、書くべきことが湧いてこなかった。

自分の「反知性」をさらけ出しただけのブログになってしまった。
しょうがないから、内田樹さん編の最近話題の書籍も読んで
自分の中の「反知性主義」について、反省しよう。
















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