2013年10月12日土曜日

ルールを作らないという「ルール」東京体育館プールの試み(東京プール難民 番外編その2)

千駄ヶ谷プール
  東京体育館のプールがリニューアルオープンして半年が過ぎた。1年に渡る閉鎖だったのでその間、いろいろ公開されている50mプールに行ってみた。(辰巳、横浜国際、世田谷区民の3つだけだけど)。
プールの運営方法について、考察した。

 再開した東京体育館のプール(以下、千駄ヶ谷プールと略)の運営はどうか。ひとことで言って比較的うまくいっているのではないか。

面白いことに規則がなくなった。プールサイドに一切規則めいた但し書きはない。唯一規則らしいものとしては、各コースに(指導禁止、指導可能)と区分けしていることだけだ。(飛び込み禁止は言うまでもない)

 これまで一番苦情が多かった(と、思われる)、「指導」…(それは「もぐりの営業」だ) について、エリアをごく一部に限定し、一般の泳ぐコースでの指導を明確に禁止した。これは効果があっただろう。まだ土日だと、営業している輩を見かけるが、以前に比べればたいしたことはない。もぐり営業は確実に減った。

 それ以外の規則は明文化されていない。少なくとも利用者の目には触れやすくはしていない。これは非常にいいことだ。

 規則は作るから、「それに当てはまらないもの」はルール違反でないとして、脱法行為がまかり通る。そうするとまた規則を厳しくしなければならない。利用者はどんどん窮屈さを感じて、余計ストレスがたまる。

 規則でなくて、その都度、様子をみて管理する側が「指導」すればいいだけの話しだ。多くの人が「納得」できる指導であれば、人はそれに従い、秩序は保たれる。常識をもって使用している大部分の者にとって細かい「規則」は不要なのだ。
 
 運営会社もそれに気づいたのだろう。再開後「規則」が「見えない化」されても、運営に支障が出ているとは思えない。指導員はその分、秩序が保たれるよう緊張感をもって監視をしている。

 休憩時間をなくしたのも評価できる。以前はなんのための休憩時間が理解不能だった。「安全のため」「お客様の健康管理のため」と昔はアナウンスしていたが、そんなのは一義的には自己責任の範疇だろう。また休憩時間を入れたからといって事故が防げるという有意な差は、ないだろう。
(以前にも書いたが、世田谷区民プールでは、9時に開場して9時50分から「休憩」になる。ほとんど理解不能の「規則」が続けられている。ちなみにここの運営はトーリツという、もともとはビルの管理会社で、プール管理は、ほとんどがアルバイトで賄っている)

規則で縛るのではなく、管理者が状況に合わせて良識的判断をする。そういう「思想」が、新しい千駄ヶ谷プールには見て取れる。これこそが、いま社会全体に求められていることではないのか。

 こうした、ある面「先進的」ともいえる運営を決定した経緯はどこにあったのか知りたいところだ。
後述するが、あいかわらず旧態依然の運営を行っていて、そのことに何の疑問ももたない、おバカ公営プールに見習わせたい。

千駄ヶ谷のプール(トレーニングジムも)の運営は、直接的にはティップネスが行っている。
http://tip.tipness.co.jp/

入り口の看板には都の外郭団体である東京都スポーツ文化事業団とセントラルが共同指定管理者だと記してあるが、ノウハウを持っていない前者が直接の運営に関わっていないことは明らかだろう。
http://www.tef.or.jp/message.jsp


ティップネスが、エグザス(横浜国際プール)やトーリツ(世田谷)より優れた組織だから、千駄ヶ谷の運営がうまくいっているのかどうか。それは分からない。しかし少なくとも千駄ヶ谷には関さんというひとりの人物が監視員にいることが大きいことは断言できる。

この人のことは別項にする。(→東京体育館の関さん)

 
コナミは決してヘンな会社ではないだろう。あれだけ全国にスポーツクラブを広げているのだから、それなりに会社組織としてちゃんとしていると考えるのが自然だ。しかし横浜市の横浜国際プールの運営はいただけない。

横浜市が運営する、横浜国際プールは設備としては新しく清潔であり、その点ではなかなかいい。
ここはコナミとトーリツが運営を担っている。プール管理はコナミのようだ。

外観も立派な 横浜国際プール(web siteより引用)
http://www.waterarena.jp/

 週末は朝7時半から入れるのはうれしい。1日の時間を有効に使える。しかしその他の面ではどうか。
9月の日曜日のある日、こんなことがあった。サブプールの1,2コースが9時半まで貸し切りになっていると看板を出していた。しかし9時半を過ぎても一向に開放しない。貸しきり終了から10分程過ぎたころ、プール正面の机ののある席にいる「監視員」(女性)に、なぜ開放しないのか尋ねた。そうしたら、「ああそうですか。忘れていました。」とぬかした。思わず、あなたはコナミの社員かと尋ねたら「いいえ」。アルバイトかとたたみかけたら、そうだと言った。

プールの床は可変式(web site より引用)

 ここのプールの管理は、この程度だ。職業意識の低い、ボンクラのアルバイトにまかせて、ルーズな管理しか行わない。シャワーは一部壊れたままいつまでも放置されている。ロッカーも床が濡れたままで汚い。700円と、公営にしては高い方だがまったくそれに見合ったサービスが行わない。お役所仕事(と言っては最近の頑張っている役場職員には失礼になるが)そのものだ。

 ただ、ここで注意すべきことがある。緊張感がないのは、コナミがティップネスより劣った組織だからという短絡的に結論づけることはできない。横浜国際プールのていたらくの遠因は、安い委託費にあるのか、それとも管理者の組織「横浜市体育協会」の組織にあるのか。

横浜国際プールは細かくルールが作られている。サブプールでは、フィンやグローブをつけて泳ぐコースも決められている。飛び込み専用のコースもある。プール脇のジャグジーは「中学生以下は使用不可」となっているが、これはどうやって規制しているのかまったく不明だ。
管理できないことまでも「ルール」が作られている。

ルールがあり、それを管理することが「お仕事」となった人々は、それを守ることしかアタマもカラダも働かない。そして意識が低いと、それすらもきちんと管理できなくなる。利用者は窮屈な規則に縛られて、利用しずらい。常に「ルールはどうだっけ」と、余計なことに神経を使う。

他の公設の施設でも同様だ。
管理が大好きな学校や杓子定規な対応しかできない交通監視員、等々こうした組織やヒトは思いつくだけでも結構あるある。
入り口に掲げてある看板



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