2011年7月7日木曜日

整形外科という医術(自分が崩れ落ちていくという体験②)



「ぎっくり腰」は、2か月でほぼ全快。運動をしていると時々何となく腰は痛くなるが、ほとんど支障のないレベル。この経験を通じて学んだことは多かった。その意味では「いい経験」をした。
「ぎっくり腰」になって行くところは当然、整形外科だ。実は以前から今度腰を痛めたら行くことに決めていた医院があった。
 慶友整形外科渋谷は渋谷駅の新南口に直結したビルにある。以前に勤務先の「腰痛持ち」の先輩からす薦められたところだった。

 5,6年前だったが、鈍痛の走る腰痛で行った自宅近くの大田整形外科(やはり慶応医学部出身だった)で「整形外科医不信」に陥った。
 初診で行った時、診断の説明がよくわからなかった。腰の鈍痛を訴えると、適当に触って(医師としては専門的な触診だったのかもしれないが、当事者の患者には適当としか思えなかった)、腰痛ですねというようなことを言っただけであった。   

 「腰痛だから来たんだ」と思ったがその時はグッとこらえた。
2回目に行った時、それではは電気をかけていきますかと言うので、どんな効果が見込めるのか聞いたら、怒り出して、1回や2回の電気では効果はないので、いやならやらなくてもいいと言い出した。
こちらは、まず、腰痛の原因は何か、どうすることがいいのか、聞診断や治療方針を尋ねただけなのに、それに答えてはくれないことには納得がいかなかった。
 当然、大田整形外科には2度と行くことはなく、その時の腰痛は、
だましだまし過ごしていたら、何となく--本当に「何となく」という表現しか思いつかないように、いつしか痛みも引いていった。

 医師は病状を決めつけるのも困るが、100%ではなくともある程度、患者に対して痛みについて納得いく説明が欲しいというのは自然な欲求ではないのか。それに答えるくれる整形外科医に出くわしたことは、いまだかつてない。

 今回のぎっくりで行った「慶友クリニック」も同様だった。がっかりした。
初診で腰のレントゲンを見ながら、自信満々と「背骨がゆがんでいますね」と、ずか10数秒の“説明”があり、痛みどめを出しておきます。運動はいけません。なるべく安静に。と言うのみだった。
別室で女性看護師から腰痛ベルトをもらい、痛みどめの座薬と飲み薬を処方してもらって帰った。しかし薬は服用しなかった。

 実はこの医院に期待したのは隣にある「メディカルスキャニング」というCTスキャンで全身を透視・診断する医院との提携だった。
この機会に、腰回りを徹底的に観察して、どうなっているのか知りたいと思ったのだ。ここは自由診療もできるが、CTは非常に高額だ。
ぎっくり腰の際に保険診療でやってもらえないか期待したのである。

物事をまず正確に知ることは、大切な一歩であることに異論を言う人はいないだろう。

だが、野望は慶友整形外科渋谷の1分診療であっけなく打ち砕かれた。診察では質問するいとまもなかったし、腰の痛みで、医師とやり合う気力もなかったのだ。

 3日後、指示に従い再び診察を受けた。この時ははっきり言った。
○痛みは我慢できない程でもないので薬は服用しなかったこと。
○診断をもう少し詳しく説明してほしい旨
の2点である。
 web siteを見てもらえばわかるように、この医師も他の開業医同様、勤務医時代の実績を強調し腕の確かさを誇っている。実際、診断・治療に自信があるのだろう。


腰痛用の腰ベルト

 要件を伝えると、急に怒った口調になって、「痛み止めは、それ自体に鎮静作用があるので痛みがなくて服用すべきもの。勝手に判断されては困る」「ぎっくり腰の原因は前回説明した通りだ」というそっけないものだった。

それでもまだ痛みがあったので、「電気」をかけてもらってから、医院を後にした。
効果があるのかどうかわからない「電気」だったが・・・・。

腰痛は1週間続いた。次第によくはなってきたが痛さが消えることはなかった。

なぜ医師は、診断の際に「ここまではわかるが、この事に関してはわからない。しかしこれこれの可能性があるので、こういう治療をする。その効果はこれこれで、効果がない場合は次にこうする」と言った、素人に理解できる“正直な”物言いをしなのだろうか。
(もちろん、そういうことが言える医師もいる)

 私の整形外科不信は払拭されるどころか一層深まってしまった。以下次回

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