2013年9月15日日曜日

二口山塊 大行沢は 入渓点を間違えると初心者には結構手強い

2013年8月10日。宮城県二口山塊、名取川支流の大行沢の沢登りに、愚息(高1)とともに出かけた。実は3年前に引き続いて2度目の挑戦だった。(3年前は途中で断念)

ガイドブックなどでは、快適なナメ床を行く写真たっぷりで、初心者向きになっている。だからつい気軽に行けるところだと勘違いしてしまいがちだ。しかしこの沢は前半が手強いので要注意。

入渓点を間違えなければ、途中からは何も危ないところはなく、樋ノ沢避難小屋まで快適に遡行できる。今回は実に快適な夏の半日になった。

大行沢の出だしは結構タイヘンだ。ガイドブックにもその点は触れてあり、山レコやYouTubeの映像を見れば、ゴルジュや巨岩のゴーロが難しそうなのが分かるだろう。
駐車スペースのある登山口からいきなり入渓するのはとても無理だ。泳がなければならない所もありそうで、初心者にはとても無理だ。

この日9時すぎ、登山口に車を停めて準備をしていると、沢登りの格好をして2人のパーティーが戻ってきた。もう遡行してきたのかと思って聞いてみると、登山口から入渓して、ひとりが早くも足を滑らせて、足首を痛めてしまい、撤退したとのことだった。格好からはかなりの上級者のようだったけど。


ロープで確保しながら支流(ケヤキ沢)を慎重に下る

 3年前中学1年の愚息と行った時は、ガイドブックにある一般的な入渓点から入ったが、結局快適なナメ床に行きつく前に、2段12mの滝を越えられず、途中断念した。登山道に、たどりつけるであろう涸れた枝沢を必至に這い上がって撤退した。途中コーラの缶が落ちていたから、同様にここを這い上がった人もいたようだ。

で、今回は、ガイドブックにある入渓点より更に登山道を登って川に入ることにした。30~40分ほど登山道を行き、右手に雨滝を見て、さらに登っていく。ガイド本には「梯子滝」があると記してあるが、これが夏場、木が生い茂っていると分かりづらい。道はどんどん川を離れて高巻いていく。
途中から右手の支流沿いに道がそれるので、間違えたかと勘違いするほどだった。そして、いくつか涸れ沢があり、その一つを少し偵察しながら降りてみたが、とても下れなかった。

力王足袋+わらじ
そこに表れたのが、水が流れて、細いながらもナメ床のようになっている支流だった。(後からガイド本で確認するとこれが「ケヤキ沢」だったようだ。)
これ以上登山道を登っても「フツーの登山」になってしまうので、この沢を下って本流に出ることにした。力王足袋に履き替え、ハーネスをつけて、出発。

見た目は緩い流だが、下るとなると結構たいへん。エイト環を使うほどでもないが、ロープで確保しながらの下りとなった。 

沢登り用の9ミリ・30メートルロープを使い、この沢で2本のシュリンゲを捨て縄にした。本流に降りる最後のところは、沢の流れのところには確保できる木も岩もなく、右岸を3~4mの懸垂下降になった。

結果的にここを入渓点にして正解だった。本流に出るといくつか1~2mの滝はあるものの、ほとんど直登できる。途中1か所だけ右に巻かなければならない箇所があった。ここは懸垂下降3mだったが、支点になる直径の大きな木もあり、無事越えることができた。

ケヤキ沢の上は、初心者だけでも大丈夫
あとは、よくある写真の通りの実に快適なナメ床が続く。初心者にとってはこの上ない快適な遡行となった。避難小屋目前のところの8mナメ滝は滑りやすいが右側を行けば初心者でも越えられる。

帰りを考えて、登山靴を持っていったので、避難小屋からの1時間半ばかりの下りも楽に行けた。メデタシメデタシ。
一番参考になったのはヤマケイの2008年に載ったグラビアに記されていて髙橋金雄さんの簡単なリポートだ。実に的確な記述でわかりやすく書いてあった。
(東北の山の案内と言えば髙橋金雄さんだ。この方については別で述べたい)



沢登りのガイド本は、概して初心者に不親切だ。また雑誌(ヤマケイ等)での記事も、イイとこどりの写真ばかり優先されていて、これを信じて入渓するとつまずく。

「ウォーターウォーキング2」(2013年6月刊)は、初心者にも分かりやすい沢のガイド本だが、今回の遡行には図書館で借りることが間に合わず、あとから見た。

本流の上部は実に快適だ
山と渓谷2008頃の記事より「引用」











雑誌のグラビアそのままの気持ちのよいナメ床が続く

避難小屋手前の7m 右側を登る

念のためここもロープで確保


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