2017年5月13日土曜日

月山・春スキーの黄昏’(たそがれ)。スキースポーツはどこへいく

2017年5月5日の月山(ピークは姥が岳)
山形の月山は4月にオープンする春・夏スキー場だ。一般のスキーヤーがアルペン気分で楽しめるといういうことでは、全国で唯一と言っていいスキー場だろう。大型連休中は、いつも多くのスキーヤー(ボーダー)や、山頂を目指す山スキーの人、登山の人でに賑わってきた(と思う)。少なくとも、初めて月山で滑った1985年以来、いつ来ても唯一のリフトは混雑していた。
 
 2017年の大型連休、3,4,5日は全国的にほぼ好天に恵まれた。4日に鳥海山で山スキーをしたあと(これはものすごく充実した山行だった)、5日に月山に向かった。大変な混雑は覚悟の上、眺望とブナ林を楽しめればいいと考えて行った。
 
 車が行ける終着点・姥沢の駐車場がいっぱいだと、いつも麓の志津集落からバスが運行して運んでくれる。これに乗れば、帰りはブナ林の中を滑って降りてくることもできる。
酒田市(旧八幡町)の鳥海山の登山口・湯の台を8時ずぎに出発し、志津についたのは10時前だったと思う。バスはちょうど出たばっかりだったが、志津の駐車場には数台の車しかとまっていなかった。姥沢への道も制限されていない。車で上がっていくと駐車場にはまだ十分に余裕があった。身支度を整え、リフトまで500mほどの雪の中を登っていくと、リフトにも人待ちはなかった。
 どう考えてもこれまでの大型連休中の月山では考えられなかったことだ。人が少ないのは明らかだった。リフトで上に登る。月山の山容が見えると、それでも山頂を目指している人の「点」は数十人確認できた。ここ数年ゲレンデにできるコブのラインも何本かある。その意味では山スキー(登山)マニアやコブ愛好家?など、元々の山屋、スキー屋たちは、きちんと来ているようだ。しかしマジョリティとしての一般スキーヤーは目に見えて少ないということか。
 
営業していなかったリフト終点の売店
若者たちのスキー離れが言われて久しいが、大型連休を春スキーに時間を費やす人は目に見えて減ったということか。月山は、自動車専用道路の完成で、山形市内からは1時間半程度、仙台からも2時間ちょっとで行けるようになった。以前にくらべてアクセスは格段にいい。しかし人は減っている。
 
 姥沢からリフトに乗って終点までいくと、トイレと小さな小屋があり春スキーシーズン中は売店もあって、玉コンニャクやソバなどが食べられた。しかしそれも閉じていた。
混雑していないということは、訪れた人にとってはうれしいことだが、なんだかちょっとさびしい気もする。
 レジャーの多様化だとか、若者が車を持たなくなった。SNSやゲームにレジャーがシフトしているという巷間言われる言説だけでは、“納得いかない”何かもやもやを感じる。
 (世間的には変わり者?の)我が息子は山屋として、オールドスタイルで鳥海山、月山といっしょに行った。
 話はそれるが鳥海山の素晴らしい山スキーは息子の強い誘いがなければ、遠くて億劫でいかなかっただろうと思うと、息子に感謝している。(鳥海山の山スキーについては別に記録を残したい)

 月山の話にもどる。以前にも書いたけど、山の自然に触れるということは、たとえそれがレジャー気分のスキーだったとしても貴重な体験だ。自然を感じ、ブナ林の存在を認識し、いい空気を吸うことの素晴らしさを体験できれば、それはやがて、この異常気象、地球温暖化への関心、自然環境保護の大切さへの認識への向かうだろう。

 東京・山手線の吊り広告にこんなのがあった。「検索より探索」。短い言葉でなかなかいいコピーだ。まず触れてみる。一番大切だ。


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