2013年11月25日月曜日

「都営浅草線」という宿痾(しゅくあ)。

鉄道路線の相互乗り入れって、本当に「便利」なの?

“本当の”浅草線の駅はわずか15だ。
浅草線は、都営地下鉄としては最も古い路線だ。(以下この項はWikipediaからによる)
浅草線としては、大田区の西馬込から墨田区の押上まで、18㎞が「浅草線」ということになる。

しかし、この路線は西は京急線と、東は京成線や北総鉄道と相互乗り入れをしている。換言すると、三浦御崎から成田空港の先まで1本(本当は1本ではないであろうが比喩として)のレールでつながっている。先日、扉の上に路線図の駅の数を数えていたら、100以上あったように記憶している。

2013年10月16日 五反田駅の混乱

10月16日のあの台風一過の日。午前9時台いはほぼ雨も上がっていた。しかし電車の混乱は続いた。なんとか五反田までたどりついたが、浅草線は、人があふれ改札に続く階段を下るのもやっとだった。人の頭しか見えないところで、駅員の拡声器の声が、割れながら響いていた。

「電車は動いておりますが、五反田にまだ到着していません。到着してもお乗りになれるまでは30分以上お待ちいただきます」と。

地下鉄は比較的雨風には強いだろう。しかし東西に延々と続く私鉄と相互乗り入れしているこの路線は、非常に脆弱だ。

「直通運転」というとなんだか便利そう(「手打ちそば」がおいしそうといのと同じだ!)だが、これはなかなかくせ者だ。ひとたびダイヤが乱れると回復は容易ではない。この日ほど、浅草線の欠陥にまいったことはなかった。(相互乗り入れの弊害については、真の鉄っちゃん・原武史さんもどこかで書いておられた)

浅草線の入口は乗車のあきらめた人が戻っていった
しかし鉄道会社はなぜ、相互乗り入れにこだわるのだろか。シナジー効果で、その方が利用者が増えるということなのか。そうした信ぴょうが本当にあるのだろうか。

 通勤や通学で毎日のように利用する多くの乗客で、三浦海岸から成田までは行く者は、そういないだろう。鉄道会社は、マジョリティーな「固定客」利用者よりも、マイノリティな「一時的乗客」の利便を優先させているのだ。

これは、あたかも、サイレント・マジョリティーな一般“市民”の声よりも、一部の声高な“支持者”の声を優先させる政党の性質と似ている。

京急の路線
浅草線の相互乗り入れは、今に始まったことではない。おそらく古い方の部類だろう。だからこの「宿痾」とも言うべき、鉄道としての欠陥は、どうにもままならない。

路線図を見ればわかるだろう。これほどの複雑で長い、路線と東西でつながっている、いわばジョイント部のような浅草線は、「かわいそうな存在」としか言いようがない。なお京成のほか、こ北総鉄道ともつながっている。

京成の路線








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